2015年11月14日(土)より映画『FOUJITA』が全国ロードショーされます。
染裕は映画『FOUJITA』からの依頼で
藤田嗣治が愛し生涯手放さなかった「藍染筒描茶道具」の
#00染裕アレンジバージョンと#01復元バージョンの2品を制作しました。
映画『FOUJITA』のセットとして染裕アレンジバージョンの筒描が
撮影時に使われた連絡を頂き、担当プロデューサーよりポスターとチラシをお送り頂きました。
※2015年10月30日再追記
映画『FOUJITA』の中で藍染の筒描を目視確認出来ました。
薄暗くではありますが、君代夫人から歴代妻を生地の風合に例え揶揄される印象的なシーンでしっかりと確認する事が出来ました。
※2015年10月13日追記
映像確認を連絡したところ、担当プロデューサーより映像内で筒描の目視確認出来なかったと連絡頂きました。映画製作の一環で筒描の必要があり制作し、セット内では使用したらしいのですが、映像は闇のシーンが多く筒描には光が届かったそうです。
また、映画『FOUJITA』は
2015年10月22日(木)より10月31日(土)開催される第28回東京国際映画祭の
コンペティション部門にも選出されワールドプレミアされます。
このような、大変にやりがいのある筒描の制作が出来たことをとても嬉しく感じています。
はじめてこの筒描を見たとき、なぜ藤田ほどの人がこの筒描を愛したのか少々疑問を覚えました。筒描の意匠は狩野派や琳派の絵師が施し、精巧緻密な迫力を感じるものが多いのですがこの筒描からは何か、ゆるやかな、おおらかな印象を受けたからです。
下絵や手本を元に何人もの手が加わり、フォルムが崩れていったのかな、と。
藤田の伝記を読み、当時の職人たちをイメージして制作しているうちに、
ああこういう事か、
きっと異国で生涯を終えた藤田にとって、この筒描から視覚的に味わう日本の味噌汁のような庶民の安らぎを感じ取っていたのではないかな
湾曲した茶釜や手びねりの誇張されたフォルム、筒描した職人の何ともいえない味わいが、ピカソやマチスやモジリアーニの生み出したフォルムと共感する感じもあって生涯手放さず、自画像にも描いたほど愛したのではないかと思います。
100年前のエコールド・パリのプランスや藍染の職人、もちろん藤田嗣治の事を思いながら100年後の人々に染裕が感じた「美」を届けるつもりで筒描を制作しました。
映画『FOUJITA』の公開と「藍染筒描茶道具」をご紹介致します。