藍染の染色方法

藍の色素、インジゴは水に不溶性の色素なので、アルカリ性の水溶液の中で一旦色素を水に溶ける形に変換(還元)して繊維に吸収させ、繊維の中で再びインジゴに戻す(酸化)ことで染色が行われ、この方法を還元染めや建て染めと呼ばれています。藍の液面
他に沈殿染め、生葉染め等、染色する国や地域のなど独特の気候風土に適した染色方法が工夫され、改良されてきました。
1880年代ドイツで化学的に合成藍が開発され効率のよい染色が日本にも輸入されるようになり、天然藍(すくもを原料にした天然発酵建)での染色は激減しました。

蒅 すくも
徳島藍特上品

藍染をするには
1、染の原料に何を使うか
天然のもの:蒅(すくも/蓼科の葉を発酵させたもの)、生葉、インド藍液、インディゴケーキ(インド藍液等を濃縮沈殿させ固形にしたもの)等
人工のもの:インジゴピュア、等

写真:左側3点は蒅(スクモ)、右端の写真は染料店が販売しているインド藍液
写真右はインド藍の色素を抽出し固形にした「インディゴケーキ」写真中央のようにすり鉢で砕いてから使います。写真右は化学藍の「インディゴピュア」。染裕では染める素材や用途、柄によって様々な原料の染液を使い分けて染めています。

2、アルカリ性の水溶液・還元剤に何を使うか
天然のもの:木灰からとった灰汁、石灰、ふすま、日本酒、水飴、等
人工のもの:苛性ソーダ、ハイドロ、等
これらの原料の選択と組み合わせ、液の管理方法、素材や施す意匠、染めた生地の用途、染める環境、その人の技術等によって様々な方法で染色することが可能です。
藍の液で染色をするには、天然の材料だけを用いて(蒅・灰汁・石灰・日本酒)温度を一定に保ち2~3週間定期的に攪拌し発酵させる天然灰汁発酵建てから、お湯を混ぜれば10分程度で染色が可能な藍染セット(染料店で販売されています)まで様々な方法があります。次に藍染の主な方法をまとめてみました。


建染め/還元染め

天然灰汁発酵建

日本の伝統的な藍染。室町時代〜江戸時代に盛んに染められていた古来の方法です。原料には蒅(すくも)、ふすま(麦のから)、日本酒、石灰、灰汁と古来から伝わる素材を使用。手間と経験と道具や染色する環境が必要とされ、「本藍」等の呼ばれ方をする。染めをする甕も一石五斗:いっこくごと(270リットル)又は二石:にこく(360リットル)の甕(大谷焼)を利用し温度を25度前後に保つ環境が必要とされる。藍染できる状態に準備に仕込むことを「藍を建てる」と言いますが、一週間から二週間程の期間は数時間ごとに撹拌し様子を見ながら液を管理する経験と感が必要とされます。また染色できる状態になっても発酵させる為、1日に染める量も限られ濃く染めるには回数を重ねる必要もあり、大変に手間のかかる染色方法となります。

化学染料建 (ハイドロサファイト建)

合成インジゴ、カセイソーダー、ハイドロサファイトを加え染液をつくる。短時間で効率良く染められるが、強アルカリ性になる場合があり、一度に濃紺に染めることができるが染色時に注意しないと色ムラが発生したり色が落ちやすくなる。

割建

天然染料と化学染料とブレンドした染法。多量に効率よく染色ができるが、染める生地や染め上がった後の用途によってはそれぞれの特色を損なうことになるので注意が必要。

沈澱染め

藍の葉を水槽に入れて蓋をしインジカンを溶出。石灰を加えよくかき回す。温暖な地域で行われた染色方法。

生葉染め

藍の生葉細かくちぎって水につけ濾したものを染液にする。染色可能な時期が藍の刈り入れ時期、7~8月頃のみと限定され濃い色は出せないが、むらになりにくく、生地を傷めにくいといわれる。

2018/03 大幅に加筆修正中

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